8月もはや30日、娘が夏休みで常に世話を焼いているせいもあるのでしょうが、日々目まぐるしく、いつもより時間の進み方が早く感じられました。いきおい趣味に費やす時間もごりごりと削られてゆく始末でしたが、そんな中で出会えたモノって、余裕のあるときのそれより愛着もひとしおになりますよね。
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8月下旬、用事ができて台東区へ行ったときのこと。帰り道、まずは娘の希望に沿って、インコや文鳥と遊べるお店「ことりカフェ」に寄り、次は私ということで、おなじみエキスポさんに寄り道。そこで出会ったのは、『金龍朱肉』と右横書きでプリントされた朱色の缶。パッと見、昔の非常ベルのようでもありましたが、少しくすみながらも、もとの鮮やかさを思わせる色合いに惹かれて思わず手に取りました。
直径105㎜、厚み43㎜のフタには、金色の地に二頭の龍をあしらった「龍」の商標。その上には右書きで『登録金龍印商標』とありました。側面には『金龍朱肉』、『證券用』とも書かれていて、納得。きっと重厚な四角い社判を、これまた風格のある絵柄が刷られた證券に捺印するには、これくらい大きな朱肉が必要だったのでしょうね。手に取った瞬間、ズシリとあまりの重さに驚かされ、何十年もそのままになっている中身を見てみたくなりましたが、フタがどうしても開かないので、そのままにしています。朱肉のタイムカプセルですね。
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朱肉は仕事でもたびたび使うので、私にとっては身近な文具ですが、このような丸い缶、しかもこんなに大きなものは見たことがありません。そういえば、社名と所番地の入ったゴム印も、宅配便の送り状に押す三文判も、ほとんどがシャチハタのようなインク入りとなって、朱肉というものが縁遠くなりましたよね‥‥。
さて、ニコニコと朱肉缶を抱えて帰宅してから、この『金龍朱肉』について検索してみると、昭和2年創業の株式会社丸山工業さんの製品であることがわかりました。びっくりしたのは、この缶入り朱肉のデザインをそのまま踏襲したような製品を、現在も販売されておられること! 素晴らしいですね。機会があったら現行の缶入り朱肉も求めて、並べてみたくなりました。
朱肉とは縁の薄くなった時代になりましたが、絵画の落款など、目に沁みるような朱の美しい印影を見ると、心洗われる思いがしますよね。そうそう、私にとってもう一つ、身近な印影があったのでした。神社でいただく御朱印です。墨痕鮮やかな文字とともに目にすると、朱の美しさがますます際立って、なんともありがたい感じがしますよね! というわけで、ご朱印とツーショットで撮ってみました。
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もうひとつは、この古い牛乳ビンです。8月中旬、娘と一緒に行った軽井沢で見つけました。軽井沢というと、テニスコート近くの公民館で毎年開催されている骨董市がまず思い出されます。もちろんそちらもお邪魔して楽しんだのですが、このビンは旧軽商店街から細い道を入ったお店で出会ったもの。
ポツポツと入った気泡、ちょっと曲がったところなど、昔のビンらしい雰囲気にホッとさせられるものが。浮き出された文字は、表に『川西牛乳共同処理組合』、裏は『高温殺菌全乳』とありました。高さは165㎜。娘と「おウチにないビンだよね!」といってつれて帰ったのですが、専門に集めている方にはとても及ばないにせよ、このくらいのサイズだとキリなく集めてしまいそうで、楽しくもあり、恐ろしくもあり‥‥。ともあれ、見たことのないビンに出会うたび、他の品物にはない楽しさにウキウキさせられて、思わずニンマリしてしまうのでした。
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