先月のことです。横浜の近くで用事があって、娘を連れてお出かけしました。思ったよりも早く用事が済んだので、どこか寄り道してから帰ろうとめぼしい場所を検索していたところ、この日はちょうど“横浜骨董ワールド”の最終日じゃないですか。顔を出しておこうと、寄り道先を決定。
娘にそのことを伝えたら、「またですか?」と少し引き気味。自己主張が出てきたことに、娘の成長を実感しつつ、「会場一周するのにつきあってくれたら、その後は観覧車に乗せてあげるから!」と交換条件(?)を出し、どうやら交渉成立となりました。

さて会場に着いて、並べられた品々を眺めるうち、ずいぶんモノのお値段が変わったなぁ、と、いまさらながら実感。出店されている業者さんから、
「今が底値だから買い時だよ!」という声もチラホラ耳にします。
少し前に、古道具好きの友人と「この先どうなるんかね? 小売りは厳しいよね~!」なんて雑談の中で、「この前、護国寺の骨董市に行ったんだって? 人出はどうだった? だいぶ減ったんじゃない?」
との質問。まぁ、昔を知る者にとっては、ずいぶん寂しくなったなぁと感じるのは確かなんですが‥‥。今がどうあっても、骨董市の雰囲気が好きで、その中でモノと出会う楽しさを教えられて歳を重ねてきた私にとっては、骨董市こそワクワクの根源。時間と場所と、そしてそこにあるモノという偶然が重なりあって、素晴らしい出会いをたくさん提供してくれた骨董市に、これからも通い続けることでしょう。

もちろん、ネットオークションでもたくさんの“たまたま”が重なって、ステキな出会いに恵まれることもあるんですけれど、なかなかネット主体にならないのは、昔気質なのでしょう。心身ともに余裕がある時に、骨董市やお店に足を運んで、その時の季節感や触感、匂いを感じながら、ピピッと目に留まったモノをつれて帰る。しばらくして、そのモノを手に取った時に「あの時、娘はよくつきあってくれたなぁ」という思い出も含めて‥‥そのすべてに喜びを感じていたいと思っています。
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骨董ワールド会場からやってきたモノは、写真のこけし郵便、ミツカン酢の銘が入った鉛筆のセット、角でできたチューリップの飾り付きの楊枝の3つ。お店の方いわく、「私、こういう感じの可愛いくて古いモノが好きだから‥‥」「ですよね~。私も好きで‥‥」と大いに共感しながら、つれて帰りました。

こけし郵便、胴体に男女が手を取って見つめ合うシルエットが描かれていて、明らかにラブレター用をねらったとおぼしきもの。こけしとラブレター、というのはちょっとミスマッチのような気もしますが、ロマンチックではありますよね。
ミツカン酢の鉛筆は、商標のほか商品のビンや、サザエさんみたいなパーマをかけた女性のイラストがあしらわれ、「毎日酢料理毎日健康」「信用あるビン詰を」と標語まで書かれた、昔の販促品らしさいっぱいの可愛らしいものです。ご親切にもお店の方が、「お嬢ちゃんに!」と鉛筆を3本おまけにつけてくれ、娘もニッコリでした。
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そうそう、入場券を買うと『骨董縁起帳』をいただけました。創刊号からお世話になっている私としては、時の流れを感じます。
タイトルの下中央、「昭和は遠くに」とありますが、まさにそれを実感する今日このごろ。家にいるモノたちが生まれた明治や大正はさらに、水平線の向こうへ沈みゆくほど、果てしなく遠くへいってしまったんだなあ‥‥としみじみしました。