263-01

クリクリとしたお目目で、見つめ合う双子のキューピーさん。生地の質感が伝わってくるような真紅の表面に、ちょっとどぎついような色合いですが、鮮やかなピンクで描かれた素朴な絵柄が何ともステキ。ところでこのお品、何だと思われますか?

実はコレ、子供用の下駄なんです! 鼻緒がつけられていないので、パッと見ではわからないですよね。一対を縄で縛ってあるところを見ると、昔は鼻緒なしで売られていたのだと思います。好みの端布(はぎれ)で、お母さんが子供らしい可愛い鼻緒を作ってあげたのかな、なんて想像をすると、ほのぼのしちゃいます。ちなみに長さは約13センチ、幅約7センチです。

思えば、古いモノに興味を持ち始めたころに、とっても大きなセルロイドのキューピーさんに出会ったのは、ベビヰドヲルさんだったっけ。「こんな大きいキューピー、できればセルロイド製のが家にあったら、楽しいだろうなぁ‥‥」と思いながら、しげしげ眺めていたことを懐かしく思い出しました。文化人形で有名なベビヰドヲルさんでしたが、そんなわけで私にとっては、キューピーさんのお店ってイメージが強くあったものです。

本当は、今回ご紹介しようと思っていたモノは、もっと大きなモノだったのですが、スマホでの撮影が上手くいかず、設定の腕も悪いのか、失敗してあきらめてしまいました。長年やってきたことが変わるのって、やはり簡単なことではありませんね。特に、機械音痴の私にとっては‥‥。


さて、毎年恒例ですが、3月末に約一週間、実家のある山陰へ帰省してきました。
263-05
例年この時期は、天候がとても不安定なのですが、意外にもよい天気に恵まれた上、早々と桜が満開になり、めったに出会えない素晴らしい風景も目にすることができて、たくさん、本当にたくさん元気をもらいました!
最後の日の早朝は、生まれてはじめて見るのではないかと思うくらいの濃霧で、娘と一緒に玄関を飛び出て、大喜びで海岸を走りまわったものでした。

霧がだんだんと晴れてきて、防風林や砂浜がうっすらと姿を現わしてゆく‥‥なんて幻想的な景色でしょう! 海と空の境界線が溶けてしまったような、ただただ真っ白い世界に、ぼうぜんと見とれて立ちすくんでしまいました。
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光り輝く砂浜。
もう、うっとりです。

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こんな砂浜の表情は、子供のころでも見たことがありません。いつもよりずっと広大に感じられ、まるで鳥取砂丘のようです。
風が作る砂の模様も美しく、しみじみふるさとに感謝、また感激した景色でした。