乾燥の季節がはじまりました。部屋のデジタル温度計の湿度表示は「LL」、つまり湿度が測れないほど空気が乾いていることに気づくと、ギョッとします。ぜんそく持ちの私にとって、乾燥は最大の敵!マスクが手放せない日々の幕開けでもあります。思えば今年の東京は、夏は雨続きで梅雨のよう、秋をすっ飛ばしていきなり寒くなり、冬がやってきたという極端な気候で、さわやかな秋晴れにもあまりお目にかかっていないような‥‥。
それでも例年どおり、乾燥だけはやってきました。乾燥といえば、火の用心!です。そういえば昨夜も、床についたころものすごいサイレンの音がして、たくさんの消防車が出動していた様子でした。読者のみなさまも、どうかくれぐれも火の元にお気をつけて。
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今回ご紹介するのは、陶器でできたマッチ入れです。長さ60ミリ、幅30ミリほどのカマボコ形で、手のひらに収まるサイズ。感触から、素焼きの生地に泥絵具で筆塗り彩色したのでしょう。
小田原提灯を模したのか、おなじみの火袋が丸くふくらんだ形ではなく、ずん胴で上下のフタもほぼ同じ直径です。浮き彫りを赤でなぞった「火乃用心」の書体、味がありますよね。
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これがなぜ、マッチ入れとわかるかといえば、理由は裏面にあります。ご覧のとおり、マッチをこすって火を点ける、赤燐のヤスリがついているのです。マッチのあるご家庭も、年々少なくなっているでしょうから、もしかしたらわかりづらいかしら‥‥。
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以前、同様の品をこちらで紹介しましたが、使い終わったマッチの燃えさしを上にある穴から入れて、安全に始末できるというもの。昔の点火装置がないガスコンロの脇にでも置いておけば、燃えさしが散らかることもなく、文字どおり火の用心となるわけです。マッチ入れというより、マッチ擦り&燃えさし入れと呼んだ方が正しそうですね。
コンロも自動点火が当たり前となり、煙草を吸われる方も肩身が狭い中、マッチを使う機会はずいぶん減ってしまいましたが、擦った瞬間の感触と独特な香りは、どこかホッとするような、懐かしい感じがしますよね。

さて、11月が終わろうとしています。当たり前ですけれど、今年も残すところ1ヶ月となりました。
毎年この時期になると、なんとなく今年を振り返り、がんばったなぁとか、忙しかったなぁ、でもまぁ、みんな元気でよかったなぁってな感じの、マトメみたいな気分になるのですが、今年は今までの中で一番忙しかったかも知れません。
年初から、実家の父の手術に向けての準備と術後のつきそいにはじまり、親しい方の病気発覚、そしてほぼ12年一緒に暮らしてきた小鳥と、娘がお祭りで釣ってきたサワガニが約1年で亡くなり、さらに父親のような存在だった方も、闘病の末逝去‥‥。可愛がっていた動物たちを含めて、身近な不幸の連続は、精神的にこたえました。
その上、トシを重ねてきたせいか、責任がますます重たくなってきたというか、起きてくる物事が、いかに上手く流れるように、考えることも大切な仕事となってきたこともあります。なにより子供が小学一年生になって、環境が激変したことも大きなことでした。この1年、常に走り続けてきた感じです。
そういえば、谷中を自転車で通り過ぎた時、ふと、ミニコミ「谷根千」を思い出しました。確か‥‥冊子がなくなった理由のひとつに、ご両親の介護があったと記憶しています。世の中は順繰りにまわっていくのだと、しみじみ思う今日この頃でした。

【おまけ】 
今年も浅草の酉の市へいってきました。パンダの熊手、モコモコした感じがよく出ていて、可愛かったなあ。欲しくなりました。
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今年の一の酉は、11月6日とずいぶん早かったんですよね。