大変ご無沙汰してしまいました。娘が幼稚園卒園、小学校入学が目前となり、いつも丈夫だと思っていた実家の父が入院するなど、身辺がとても慌ただしく、古いモノたちを愛でる時間も、なかなか取れない日々が続いています。それでもちょっと一息つきたくなり、棚からご覧のようなお品を引っ張り出して、眺めてみることにしました。

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昨年の秋に軽井沢の雑貨店で見つけた、三脚付きカメラのライターです。立てたときの高さ9.5㎝、幅7.5㎝。手のひらに乗せると、ずっしりと重みがあります。
ピカピカ光るプレス部品のメッキ、ツマミの挽物パーツに切られたレット(ギザギザ)、黒い本体の質感と、どれをとっても実感的で高級感にあふれ、本当に写真が撮れそうな感じすらしますよね! 

シャッターボタンを押すと、てっぺんがパチンと小気味の良い音がして開き、ライターに点火します。三脚も伸び縮みこそしないものの、根本の関節からしっくりと開いて重さをしっかり支え、きゃしゃな感じはまったくありません。オモチャに近いモノとはいえ、精密機械の雰囲気をまとった、しっかりした品物であることがわかり、嬉しくなるのです。

私的にグッと惹かれたのは、正面のレンズ左側にはめ込まれた、小さな方位磁石! いままでご紹介したように、子供向けの文鎮や鉛筆削りなど、何にでも方位磁石をつけておくことが常識(?)だった時代がありますが、大人向けと思えるこのライターにもついていたとは! ちなみにカメラの底には、「MADE IN OCCUPIED JAPAN」の刻印が‥‥。まだ占領下の時代に作られたモノだったのですね。

器やカバンなど、新旧セレクトされたモノたちがゴチャゴチャと並ぶ棚から、このカメラを見つけた時は、本当にドキドキ、ワクワクしました。何というか、放っているオーラが違うような気がしたのです。ライターという実用品でありながら、なんとも遊び心のあるデザイン! それも細部まで、きちんとしたつくり。思わず、「いい仕事してますね」ってセリフが出てしまいそうでした。お店の方に「これ、見せてください」とお声をかけたら、「アメリカからの里帰りですよ」と話されました。

もう少しして身の回りが落ち着いたら、私の暮らしの中にも、このカメラのような、“遊び”を復活させられたらと願いつつ、三脚を開いたり、シャッターを押したりして、しばし楽しんだのでした。