新型コロナウイルスで日常生活が激変しました。
突然の学校休校には、本当に驚き、自分自身の危機管理について考えさせられ、喘息持ちの私は、毎日朝晩、検温を欠かせません。マスクもなかなか店頭に並ばず、いかに気持ちを安定させるか、小学生の娘の様子も観察しつつ、仕事もありますから、まわりの方々と情報を共有して、日々過ごしています。

‥‥以前も似た内容を書いたことを思い出し、昔のブログを読み返してみました。

以下2011年2月8日に書いたブログからの抜粋です。

【インフルエンザ関連のニュースを、今年ほど意識したことはありません。自分はどうにでもなりますが、0歳の赤ちゃんには、うつらないようにしなければいけませんから。なので、近所の病院で、医療従事者の人は2回打っていると聞き、「私も打ちます!」と、何年も打ったことないくせに、2回も打っちゃいました。実は気管支が弱いので、重症化しないようにと思いまして‥‥。高齢母は必死です。

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 ご紹介するのはマスクです。商品名は『ゼネラルマスク』。今のモノとは似ても似つかず、おどろおどろしいといいましょうか、不気味なデザインです。残念ながら本体はありませんでしたが、ケースがブリキというのはすごいですね。紙箱のモノは何個か持っていますが
、ブリキケースはこれしか見たことがありません。日本でマスクがつくられたのは大正時代だそうです。最初は工場で使用する粉塵よけとして誕生しましたが、大正8年にスペイン風邪(今でいうところのインフルエンザ)が大流行し、予防用としてマスクは注目され、メーカーが乱立するほど売れたそうです。
 どうりで、たくさん種類があると思いました。当時のマスクは、カラスのクチバシのように黒く、枠組みは真鍮製で、呼吸する部分は金網が使われ、全体は布やベッチン、革などでつくられました。けれど、真鍮などの金属は吐息で錆びてしまうため、金属からセルロイドに代わり、その後、枠のない布地だけのマスクになっていったそうです。

 ゼネラルマスクの裏面に書かれた説明書きを読むと、「ゼネラルマスクヲ御使用セラルル時ハ 一般ノ流行病ヲ 未然ニ防止シ 且ツ此レヲ根絶ヤシムルル効果アラシムルモノナリ」と書いてあります。このマスクを使用するだけで、病気を防止するだけでなく、病気を根絶やしにできるとは、なんとも素晴らしいマスクです(無理なのでは?)。ケースの大きさは、横幅7.3センチ、縦6センチ、厚さ2.5センチで、マスクの仰々しさに比べると、コンパクトなモノに思えます。形状は違えど、今から90年前の日本でも、現在と同じようにインフルエンザを恐れ、マスクで予防していたのですね。私もかからないように、マスクはもちろんですが、手洗いとうがいを頑張りたいと思います。なんといっても、今年の東京は、2月6日まで38日間も乾燥注意報が続きました(継続日数は歴代第2位だそうです)。それに、インフルエンザも患者数が15万人を越え、今シーズンはじめて警報レベルを越えたそうです。】
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9年前の2月は、インフルエンザが猛威をふるっていたのですね。
そして、この1ヵ月後、3月11日に東日本大震災が起きたのです。
ブログを読み返すと、少し現在の状況に似ているなぁと思いました。  

以下2011年3月20日に書いたブログからの抜粋です。

【3月11日は、築30年近い、エレベーターのない3階にあるわが家は、大きく、長く揺れました。幸いだったのが、エルゴの抱っこ紐をつけ終え、散歩に行こうとした瞬間に、地震が起きたことです。すぐさま赤ちゃんを抱っこし、揺れる本棚を押さえました。押さえなければ倒れたと思いますが、なんとか倒れず、小鳥もいるので、必死に大丈夫だといい続け、どうにか被害は少なくてすみました。赤ちゃんが終始ニコニコしていたのが救いで、ガタガタ震える自分の足に、もっと強くならなければ‥‥と思いました。

 余震も続き、原子力発電の問題も連日報道される中で、街からはミルクやオムツ、トイレットペーパー、電池などの日用品が消えました。食品も、水やインスタント食品、牛乳、卵などはなくなり、薬局やスーパーにできた長い行列に、恐ろしさと不安な気持ちを覚えました。けれど、日本の人は強い。大丈夫。どんな状況でも、創意工夫を忘れず、暮らしの中に夢を持ってきました。明治、大正、昭和を生き残ってきたモノたちが、私にそう語っています。
 1週間が過ぎ、入場規制があった近所のスーパーも、落ち着きを取り戻し、臨時休業していた薬局も営業をはじめました。普段と変わらず、お仕事をしてくださっている方々に、感謝です。】
 
本当に2011年は、大変な1年でした。
2020年も、新型コロナウイルスは、歴史に刻まれる大きな事件として伝えられていくと思いますが、1日も早く過去形の言葉で表現できますように‥‥。新薬が出来て、誰もが普段の暮らしに戻れますように‥‥。心から願うばかりです。